電源電圧表示シールドの作成で書いたように、ごちゃごちゃしているところで、通電中の開発用基板をさわっていたら、基板の裏面と金属などが触れたらしく、基板の逆極性保護ダイオードが壊れて使えなくなった。故障を発見しやすくするために電源電圧表示シールドを作成したが、壊れないようにすることの方が重要である。そこで、開発用の基板を保護するためのホルダーを3Dプリンタで作成することにした。
MH-ET LIVE ESP32 MiniKit の実験などの際につかっている Lolin (WeMos) D1 mini Dual Base基板の底面の端子を守るためのホルダーを3Dプリンタを使って作った。
Dual Base 基板には取り付けネジのための穴があるので、その穴の下に雌ネジ部分を作って固定できるようにしようと思っていたが、手元の安価な3Dプリンタでは、M3くらいのネジだとうまく入るように作成するのが難しかった。
そこで、ネジを使わないで固定するようにした。ホルダーにDual Base基板を入れる際には、力をかける必要がある。一旦ホルダーに固定した基板を取り出すことは考慮していないので、ホルダーに入れた基板を取り出すためにはホルダーを(少なくとも一部)壊さないとだめであろう。Dual Base基板に必要なヘッダーを取り付けてからホルダーに固定する必要がある。
また、Dual Base基板下に飛び出るピンの長さは2mm未満としている。2mm以上ある場合にはホルダーにうまく収まらない。
3Dプリンタで作成した Dual Base基板ホルダー
Dual Base基板をはめたホルダー
ホルダーそのもの
ABS樹脂で2色を使って作った。
3Dモデル
WebサービスのTinkerCadを使ってホルダーの3Dモデルを作成した。
需要はないようにも思うが、作成した3DモデルのOBJ、STLファイルを置いておく。
Dual extruderを持った3Dプリンタなどでホルダー本体とは別の色でバージョン番号等の文字を出力できるように、文字列部分は別にしてある。
OBJファイル
TinkerCadからExportしたOBJファイルを含むZIPファイル。
Dual Base Holder の3Dモデルファイル (.obj)
ホルダー本体(STL)
Dual Base Holder の3Dモデルファイル 本体(.stl)
文字列部分(STL)
ホルダーのバージョン番号等の3Dモデルファイル(STL)
Dual Base Holder の3Dモデルファイル のバージョン番号(.stl)
3Dモデル作成手順
以下は備忘録としての作成手順である。後から考えると無駄なところがある。
3Dモデルは大きく5つの部分に分けて作成した。
- 底面・パッド
- 側面・底面の枡形状
- 丸め枠
- ラッチ
- テキスト
底面・パッド
1mm厚さの板の底面の上に基板を支える2mmの高さのパッドを作る。実際には、底面は、別のパーツである側面・底面の枡形状で作成するので不要であるが、パッドの位置決めの関係からここでも底面を作っている。
底面
底面はもう少し厚い方が良いと思うが、絶縁だけできれば良いと考え、薄くしている。底面が薄いためにホルダーのハード的な破損などはあったとしたら仕方がないと考える。
パッド
パッドの高さは基板の裏に出ているピンの長さに合わせて調整する必要がある。手元のDual Baseでは2mmで大丈夫だった。
側面・底面の枡形状
底面の厚みは1mmにしている。
直方体2つから構成されている。1つは穴になっている。
外側の直方体
内側の直方体形状の穴
外側よりも小さく、底面から少し上にあるので、組み合わせて枡状の形を生成する。
ラッチ
基板を留めるためのラッチ部分。
片側は1mmの突起の長いラッチ、もう片側は0.5mmの突起の短いラッチとした。1mmの突起の下に基板を入れ、0.5mmの突起部分は上から力を入れて嵌めることにした。
ABS樹脂を使って実際に作ってみたが、短い突起を長くしすぎると力を入れても嵌めるのが難しくなる。
横からみると次の通り。
長いラッチ
短いラッチ
丸め枠
角が角ばっていると手にあたったりすると痛いので、角を少し丸めるための丸め枠を作る。
TinkerCadには filletの機能がないようなので、角丸直方体を使って、外側の角だけが丸まっていればよいことにする。側面の角は丸まるが、側面と上面や底面の角は自由に丸めることができない。
角丸直方体と直方体を組み合わせている。直方体から角丸直方体を引いて丸め形状を作成する。作成した形状を穴に変換して丸め枠を作る。
終わってから考えると、側面・底面の枡形状を作る際の外側の直方体を角丸直方体にしておけば丸め枠は不要である。
角丸直方体
直方体
テキスト
バージョン番号などを示すためにテキストを底面に示すとした。ホルダー内部なので、基板を取り付けると外から見えなくなる。なくても良いといえる。
今回は文字の厚みを薄くしてあるので、きれいに3Dプリントされないかもしれない。厚くすると、基板の底面から出ているピンと干渉する可能性が高まる。ピンのある部位を避ければ干渉は起きないが、字が小さくなると思われたので、薄くすることで対応することにした。
文字の大きさは底面の見える範囲に収まるように適当にしている。
ホルダー底面内側の上に印刷されるように、テキスト単独では浮いた状態になっている。
作った後に考えれば、バージョン番号は外部から見える底面につけた方がよかった。文字の部分を凹にすることが考えられる。現状では1mmの厚さの底面をもう少し厚くして文字部分を凹にしたり、凹部分を他色の文字で埋めるようにすればよかった。時間があったら修正したい。