開閉センサーとしての加速度センサー

人感センサーとしてのCO2センサー に関連して Netatmo のドアセンサーについて。

ドア・窓の開閉センサー

国内で販売されている後付けの防犯用窓・ドアセンサーの多くは、扉と壁に磁石とセンサーを取り付け、磁界の変化から開閉を検出されているものが多いと思われる。以前、電話機と連携させて簡易防犯機能を付けるデバイスとしてPanasonic の製品を使っていた。ちゃんと動作したので商品として特に支障はないが、Netatmoの開閉センサー Tags は扉側に取り付けるだけで壁側には何も取り付けなくても良い。どのようにして開閉を検出するかは明確にWebなどで説明されていないが、加速度センサーを利用して開閉を検出していると思われる。

加速度計測によるドアの開閉

原理的には加速度を計測して、積分処理すれば位置を求めることができるので、開閉を検出できることはわかる。ただ、自分の乏しい経験からは、MEMS加速度センサーなどを良く考えずに使うとノイズやドリフトの影響を受けて、静止させていてもずれが出てきてしまうのが普通である。Netatmo Tags を買うまでは、安価で小型の加速度センサーを使って開閉検出が実用になっているとは思っていなかった。しかし、使ってみると通常の利用では困ることなく、わずかに扉が開いたら開いたと検出し、閉じればそれを検出できるようになっていた。

加速度の2重積分で位置を求めるの(だけ)ではなく、扉を閉じた際の衝撃なども検出しているのかもしれないが、なかなか面白く、発想・技術が優れていると感じた。磁気センサーを使う開閉検出デバイスなら自分でもあまり考えなくても作れると思うが、加速度センサーを使った開閉検出を行うデバイスを作るには信号処理などを工夫しないとできないと感じる。

今後

調べたら Netatmo Tags は今のところ販売されていないようである。NetatmoのカメラWelcomeとの通信がうまくいかないことが頻繁に起きるという問題はあったが、それ以外にも開閉の検出などでも問題があったのかもしれない。製品としての完成度は十分ではなかったのかもしれないが、扉の開閉検出デバイスと見ると意外性があって面白い。防犯目的の窓や扉の振動検出のために加速度センサーが必要で、それを使って開閉検出もできるようにしようという単純な発想だったのかもしれないが、実現する技術力があるところが良い。

Netatmo Welcomeを使わなくなったので、Tagsも使わなくなってしまったが、今後開閉検出をする必要が出てきた場合に、磁気センサーと加速度センサーを使う2種類の製品があったら加速度センサーを使う製品を購入したいと思う。